だがどういう訳か、心待ちにしていたチケット発売日は来なかった。
四半世紀が経って、突然ポリスは再結成ツアーを発表した。
専用サイトとファンクラブも用意され、ロクサーヌのリハーサル映像も公開された。
テンポもキーも半分、テンションも半分、これほんとにポリスか?と驚くほど冴えない演奏だった。
年相応に見た目が劣化するのは仕方ないとしても、アンディの高木ブー化はさすがになんとかならんものか。
それでもリユニオンツアーは世界中から歓喜で迎えられた。
ライブは同窓会のような緩い雰囲気だった。でも30分もするとメンバーの容姿にも慣れて、緩い演奏が心地よく感じられた。
リユニオンツアーを境にポリスの楽曲は変貌を遂げた。
なんというか、しっとりした潤いのある曲になった。
ツアー中に発売された、このベスト盤28曲で施されたマスタリングは、ポリスの楽曲に新しい解釈を与えるものだ。
全体的にふくよかになり、リッチな音になった反面、「スカスカだけどやたら疾走感のある性急なバンド」という印象は後退したと思う。
もともとの録音状態に起因すると思われる不具合も修正されている。
Roxanne
出だしのカッティングは、最初の1-2音の回転が遅く、チューニングが狂っているように聞こえて気持ち悪かったのが、自然な形に修正された。おそらくリマスタリングの範疇を超えた処理だが、オリジナルに拘って放置するよりよっぽどいい。Don't Stand Close To Me
イントロのリフに入る直前、引っ掻いたような雑音が不快だったのが修正されている。祭りが終わって早くも10年以上が過ぎたけど、ずっとこの音を聞き続けている。
2020/02/01
0
#デジタルリマスター#Police