
後追いの形でボックスセット「The Road To Red」用にリミックスを制作し、ボックスが買えないリスナーのために2CD版も発売したものの、今度はCD1とCD2のクレジットを取り違えるという失態。しかもまた30周年リマスターを抱き合わせるわ、ハイレゾリミックスは収録されないわで「三たび赤い悪夢」という事になってしまった。
まあコアなファンはボックス買うだろうし、こうした混乱を楽しめるような変態でないと何十年もクリムゾンファンなんかやってられないんだろうけど、あまりに不誠実だと思う。
結局このシリーズで個人的に一番面白いのはこれ。
Red - Trio Version
ゲストの音源を省いたバージョンでもなく、ベーシックトラックでもなく、名が体を表さない中途半端なミックス。イントロのギターリフが入っていないと思えば途中から二本鳴ってるし、ブレイクのカッティングは途中で切っちゃうし、わざと未完成感を出したとしか思えない。
ただしリバーブ処理前のラフミックス状態のため、音自体は良好。Redは録音自体があまり良くないと思っていたが、ここまでクリアならオフィシャルより演奏自体は楽しめる。明らかにオフィシャルと同一テイクなのだから、この音のままちゃんと作って欲しかった。
Fallen Angel - Trio Version
これも同じ。しかもカラオケ。楽器を演る者からするとこういうザラっとした音は大好物なのに、なんでこんな中途半端な形にするんだろう。リミックスなんかよりラフミックスの方が良かったのに。
聴き比べ対象マスター
A. 初期マスター, 1987
B. The Definitive Edition, 1989
C. 30th Anniversary Edition, 1999
D. 2013 stereo mix
家にはCしかなかったが、おそらく「Frame By Frame」ボックスにほとんど収録されていたので、CDはそれで済ませていたんだと思う。例によって中古でBを入手。さらにSteve Hoffman掲示板でAが最高他はゴミクズと連呼している人がいたのでAも入手。Dは2CD版で。
Red
30周年リマスターを長年聴き続けてきた中でも、Redが一番苦手だった。もともと音の分離が悪い反面モノラルのように音が塊でやってくるのが魅力なのだが、30周年リマスターは無理やり解像度上げようとエッジを強調しすぎて、キンキン耳が痛い。89年リマスターも悪くなかったが、なんといっても初期マスターのモコモコ感が自分にとってのRedの音だった。
では曰く付きの2013リミックスはどうか。
悪くないというか、どこがリミックスなのかというくらい普通。まあ最初に必要ないと言った手前、こうするしかなかったのかもしれないけど。ただ30周年リマスターとは一線を画し、むしろ初期マスター寄り。
どちらが好みかというと難しいが、少なくとも30周年リマスターだけはない。
Fallen Angel
これも初期マスターと2013リミックスの一騎打ち。リミックスはやはり音圧の高さが惜しいが、概ね良好。良い状態で残っているマルチトラックに今後の期待を込めて、2013リミックスに軍配を上げたいと思う。
One More Red Nightmare
ビル・ブラッフォード(旧)はこのアルバムでロートタムを使用しているが、アタック音と皮の音しかしないロートタムの音が一番それらしく聞こえるのは初期マスター。マスターの状態がいいのか、バインバインと張りのある音がする。
Providence
Starless
2013リミックスは相変わらず良い。ただ初期マスターを聞いてしまうと楽器の鳴りが全然違う。マルチトラックまで遡ってもダメということは、テープそのものの劣化が進んでいるのではないか。
総括 & ベスト・バイ
2013リミックスはハイレゾで聴いた方が音圧問題も解消されている気がするが、そのためにはクソ高いボックスセットを買わなければならない。当面は中古で初期マスターを探すのが賢明か。

King Crimson/Road To Red (+dva)(+brd)(Ltd)(Box)
2017/02/21
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#リミックス#King Crimson